死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
でも、場所なんて関係なかった。


今がその時なのだ。


1年生の頃からくすぶっていた思いが、厚彦の喉元までせり上がってきているのだから。


「梓」


厚彦は一旦体を離し、真っすぐに梓を見つめた。


梓の目は涙のせいで赤く充血している。


それさえ、可愛いと感じている自分はきっと末期だ。


梓のことが好きで好きでたまらない。


できればこれから先もずっと一緒にいたい。


梓の人生を自分に欲しいと感じる。


でもそれはできない。


しちゃいけないことだった。


「梓、ずっとお前のことが好きだった……」
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