Romantic Mistake!
「新千歳空港でぶつかってお金をいただいた仁科麻織と申します。先ほどはすみませんでした。桜庭颯介さんですね? さっそくですが、私と荷物が入れ違ってません?」
用件だけをズンズン伝えると、彼は電話口で『やっぱりそうかぁ……』と崩れ落ちそうな声を出した。相当、取り乱しているようだ。
時間が経って冷静になっている私の方から、さらに切り出す。
「サッと中を見せていただいて、名刺があったからお電話しました。大切な書類が入っているようですが、サービスカウンターに預けても大丈夫ですか?」
電話の向こうの彼が、「えっ」と短い声を出したのが聞こえた。
『あの、読んだんですか? それ……』
「いえ読んではいませんよ。極秘と書いてあったので」
素直に話したが彼は黙り込み、私の言っていることが本当かどうか疑いをかけている。そんなことをされても読んでいない証明はできないからどうしようもなく、話を前へ進めた。