アオハルの続きは、大人のキスから


 模擬結婚式まで、あとひと月。その間に、二人の心はどう揺れ動き、どの道を歩むことになるのか。

 小鈴の気持ちはすでに決まっている。久遠が好き。その気持ちは揺らがないだろう。

 ただ、本当に彼の隣にいていいのか。迷う自分もいるのは正直なところだ。

 なんせ過去に一度自分から関係を終わらせている。それなのに、彼の傍に本当にいていいのだろうか。

 十年前よりもっと素敵になり、地位のある男性になった久遠についていけるのか。その不安があるのも事実。

 だからこそ、きちんと見極めなくてはいけないのだと思う。
 彼の傍にいていいのか。彼にふさわしい女性になれているか、を。

 二人にとって、これが最後の分岐点になるのだろう。小鈴は、久遠の説明を聞きながらそんなことを脳裏の片隅で考えた。


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