アオハルの続きは、大人のキスから


「本当はゆっくりデートしたかったんだが……」と残念がった久遠は、このホテルのアフタヌーンティーに連れてきてくれた。

 目も舌、そして香りと雰囲気が楽しめる、このホテルのアフタヌーンティーは人気があるらしく予約しておかないと入れないようだ。

 久遠は小鈴のために時間を割き、このホテルに連れてきてくれた。それがとても嬉しい。

 脳裏には一週間前に叔父から打診された、呉服屋山野井の件と俊作のこと、そして、久遠のバックのことが常に存在を現している。

 山野井を継ぐこと、そして俊作からのプロポーズ。どちらも断るつもりでいるし、現に断っているのだが、俊作がそれを阻止してくるのだ。

 叔父に話しても「俊作とよく話し合って決めてほしい」とけむに巻かれてしまい、どうしたらいいものかと頭を悩ませている。
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