【短編】私がお母さんでいい
さて、約4日間は子供と一緒になるわけだけど
「那雪ちゃん、お腹すいた?」
「すいたー」
「そっか、ご飯食べる?」
「食べたーい」
「何食べる?」
「ハンバーグ!」
「わかった、じゃあ作るからね」
私が台所に居ると
「ねえ沙友理さん、あそぼー?」
「え?今ハンバーグ作ってるから」
「あそぼー!あそぼー!あそぼー!あそぼー!」
「え?ええ??」
ど、どうしたらいいのこれ!?
とりあえずおもちゃで遊んでいると
15分後
「ハンバーグまだー?」
私は魔法使いか!
無理に決まってる
「遊んでたらハンバーグ作れないからね!?」
「じゃあハンバーグ作ってよ」
「……ほーじゃあ作ってくるねー」
私は必死の苦笑いで台所に行く
また話しかけられないように雪菜から預かった子供向けのDVDを那雪ちゃんに見せる
これでよし
私は集中してハンバーグを作ろうとする
しかし
ガシャーン!!
え!?
那雪ちゃんがいた部屋から大きな物音がした
「ど、どうしたの!?」
慌てて部屋に行くと
「落としちゃった」
「あーーーー!!!!!」
私が必死に集めていた火滅の前歯のフィギュアがひっくり返されていた
私の命より大事なものがぁー!!!
「あああ、後で直すから!触らないでね!!」
「はーい」
「大人しくアニメ見ててね!」
「はーい」
これでよし
台所に戻ると
嘘でしょ!?ハンバーグ焦げてるー!
偶然1個だけ焦げなかったからそれは那雪ちゃんにあげないと…
子育てって大変……