【短編】私がお母さんでいい





「でもね那雪ちゃん……ママとパパは帰ってこないよ」



「なんでー?まだ遊んでるのー?」


「違うよ……」



「なんでよー!早く帰りたい!」


「ママとパパは!!」



私が大きな声で言うと那雪ちゃんはまた黙る



「ママとパパは……天国に行ったんだって」



「……天国?」


那雪ちゃんは理解出来てないなかった



「そうだよ…天国に行ったの…」




「死んじゃったってこと?」



「……そうだよ」


「でもまた生き返ってくるよね?」


「……生き返らないよ……」



私は無邪気な那雪ちゃんを見ていると涙がまた溢れる



「なんで……」



那雪ちゃんも目に涙を溜めていた



「いつ帰ってくるの?」


「……ずっと帰ってこないよ」



「……やだぁーー!!!!
おうちに帰るーー!!!」




那雪ちゃんもついに泣いてしまう



そんな那雪ちゃんを私は抱きしめた



「……ごめんね…」





それでも那雪ちゃんは泣き止まない



でもこうするしかなかった



私も泣きながら那雪ちゃんを抱きしめて


1人になった那雪ちゃんと妹を失った私の現実を受け入れようとしていた




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