極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「十人くらいかな。北條は?」
滝川さんに答えを求められると、優は曖昧に微笑んだ。
「さあ。覚えてない」
「ズルイなあ。こいつこんな澄まし顔してるけど、結構遊んでるからね。騙されちゃ駄目だよ、藤原さん」
滝川さん言葉にクスクス笑って頷いた。
「はーい。優は百人くらいいそう。いや、星の数ほどかなあ」
私の発言に一瞬周りの空気が固まったが、酔っていた
せいで何も感じなかった。
「いっぱい食べてお酒を飲んだからか……眠い」
瞼が重くなってきた。
でも、大丈夫。
私はお酒を飲んでもちゃんと家に帰れる。
「……原、藤原、目が開いてないけど、眠いのか?」
「……大丈夫。……起きて……ま……す」
身体の力がスッと抜けると、何か温かいものにぶつかって、そのまま寄りかかる。
この体勢……楽かも。
それに何だか安心する。
「今日は……楽しか……た」
心地よくなってそのまま意識を手放した。
< 111 / 243 >

この作品をシェア

pagetop