極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
何をしているんだろう。
不思議に思いながら見ていたら、彼がその皿を私の前に置いた。
「これは藤原の分。お前遠慮してあまり食べなそうだから」
私の性格わかってるなあ。
「……ありがとうございます」
少し恐縮しながら礼を言うと、彼は「どういたしまして」と穏やかな目で微笑んだ。
「そこのふたり、勝手にふたりの世界を作らないの」
滝川さんがニヤリとしながらからかってきたが、優がクールに返した。
「お前と朝井は楽しそうに戯れてたじゃないか」
そんなやり取りが面白くて笑ってしまう。
いつの間にかリラックスしてきて、いつもは苦手な会社の同僚との飲み会も心から楽しめた。
自然とお酒を飲む量も増えて、何だか身体がふわふわしてきた。
「みんなは今まで何人の女性と付き合ったんですか?」
普段絶対に聞けない質問も躊躇わずに口にすると、滝川さんと朝井くんは指を折って数え出す。
「僕は六人ですね」
朝井くんが真面目にそう答えれば、滝川さんはニコッと笑った。
< 110 / 243 >

この作品をシェア

pagetop