極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
この場からパッと消えてしまいたい。
赤面を通り越して顔面蒼白になる私。
今日は厄日かもしれない。
何か言って誤魔化さなきゃ。
ひとりパニックになっていたら、北條さんがクスッと笑った。
「ひょっとしてまだ夕飯食べてないのか?」
「……はい。すみません。変な音聞かせてしまって。ケーキバイキングに行くはずだったんですけど、こんなことになるなんて思っていなくて。すみません」
狼狽えていたせいか、どうでもいい話をする私を見て彼は優しく目を細めた。
「ケーキバイキングに行けなくて残念だったな」
「あの……ケーキバイキングは忘れてください。変なこと言ってすみません」
あたふたする私に彼はゆっくりとした口調で言った。
「いや、謝るのは俺の方だ。お前にだけ残業させてすまなかった。今日の残業はちゃんと申請しろよ」
「え?でも……それだと部長の立場が悪くなりませんか?」
会社としても残業はあまり認めたくないんじゃあ。
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