極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「滝川さん、冗談はやめて下さい。カタログの発送作業をやっているんです」
「ふーん、こんな可愛い子とふたりで作業なんて、羨ましいなあ、部長」
滝川さんが北條さんを見て悪戯っぽく目を光らせると、部長は澄まし顔で命じた。
「下らないこと言ってないでお前も手伝え」
「はいはい。わかりましたよ。でも、なんでこんな事態になるまでやらなかった訳?」
部長の横の席に座ってシール貼りをしながら滝川さんは私に目を向ける。
「それはですね……」
あー、私に聞かないで下さい。
返答に困っている私を見て北條さんが助け舟を出す。
「滝川、察しろよ。藤原が最初から担当していたなら、普通に定時内に終わってる」
「確かに。藤原さん、つまんないこと聞いて悪かったね」
滝川さんが私に謝ると、北條さんも真摯な目をして告げた。
「藤原、もう変な残業はさせないようにするから安心しろ」
「……ありがとうございます」
少し驚きながらお礼の言葉を口にする。
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