極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「いないし、今後も作る気はないの。ひとりの方が気楽だもん」
「ふーん、でもまだまだ若いですし、考えも変わるかもしれませんよ。北條さんとか滝川さんとかうちには超優良物件がいますからね」
朝井くんの言葉を聞いても心は動かなかった。
「でも、どんなにイケメンでお金や地位があっても、浮気されて傷つくのは……ちょっとね」
ポツリと呟いたその時、栗田さんがやってきた。
「朝井さーん、今度合コンやりませんか?」
彼女は慣れ慣れしく朝井くんの腕に手を絡めるが、彼はその手を外しながらにっこりと微笑んだ。
「悪いけど、今欧州の商品発表の準備で忙しいから、またの機会にね」
「あー、残念。次は絶対ですよ」
少し拗ねた様子で念押しする彼女を彼は笑顔で軽くあしらう。
「はいはい」
流石朝井くん。女の子の対応慣れてるな。
「あっ、藤原さん、今日私テニススクールがあるんで、資料の取り纏めお願いします。今さっき、メールで資料送っておきました」
テニススクールに行くのは個人の趣味であって仕事ではない。
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