極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
昨日の朝はパンだったから、今日はご飯にした。
炊飯器やオーブンレンジの使い方は優に教えてもらったからバッチリ。
ただこの家には玉子焼き器がなかった。
「玉子焼きは出来ないから目玉焼きにして、焼き魚にお味噌にお漬物、あと昨日仕込んで置いた煮物で充分かな」
優に食事を出すことにちょっとドキドキするが、兄と一緒に住んでいた時は私がずっと食事を作っていたので手際はいい方だと思う。
六人がけの大きなダイニングテーブルに食事を並べていたら、優がやって来た。
「ぶりの照り焼きか。いい匂いがする」
ブルーのシャツにスーツのズボンで現れた彼は、オフィスのいる時と違ってネクタイもしていないし、シャツのボタンを外していて少しラフな格好。
スーツのジャケットとネクタイを椅子の背もたれにかけ、隣の椅子に腰掛ける。
「シャケにしようとも思ったんですけど、ぶりが食べたくなって」
そんな説明をしながら優の向かい側の席に座ると、彼がじっと私を見た。
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