極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
5、彼女は部下で親友の妹 ー 優side
「第二の兄ってひょっとして北條?」
ヒール音を響かせて廊下をスタスタと歩いて行く梨乃の後ろ姿を見送りながら滝川が俺に問う。
「さあ」
口元に笑みを浮かべて惚けると、こいつの目がキラリと光った。
「その答え方は北條ってことだな。それで、いつ彼女が涼太の妹だって知ったんだ?」
「先週俺たち三人でラーメン食べに行った時、彼女が後輩だってわかったから多分亮太の妹だと思ってあいつに電話して確認したらビンゴだった」
俺がそう説明すると、滝川は俺の胸板を肘でドンと押した。
「そういうことは早く教えろよ。何かふたりでこそこそしてて親密な雰囲気だったぞ」
「そう見えたなら亮太の妹だからかもな。以前はそんなに気にもしなかったが、あの一緒にラーメンを食べに行った日から、彼女の姿を探すようになった」
今まで部下のひとりでしかなかったのだが、個人的な知り合いになってから、何かと彼女が気になる。
「ふーん、お前が女に興味持つなんて珍しい。まあ、社内恋愛は禁止じゃないし、ぐいぐい攻めるのもいいんじゃないの?お前に口説かれて落ちない女はいないだろ?」
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