千歌夏様‥あなたにだけです。〜専属執事のタロくん〜
「‥う‥ん‥ごめんなさい‥大丈夫」

ドキ‥

そう言って顔を上げた女の子‥

‥薄茶のサラサラな長い髪‥
色白の綺麗な顔を涙で濡らしている。

‥‥‥‥‥‥美しい

俺が生きてきた中で初めての感覚‥だった。

「‥‥‥うん」

なぜだろう‥彼女から目を離せない‥。

「‥う‥気持ちわるい‥」

彼女は肩を震わせてまた吐いてしまう。

俺はとっさに‥彼女の背中を優しく撫でた。

「‥‥‥‥ありがとう‥」

そう言って彼女がうつむきながら言った。
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