呪イノ少女、鬼ノ少女
大和と一通り話終えてから、澪は伏し目がちに茜を見た。

それで何を言いたいのか、茜にも分かったらしい。

彼女は困ったようにこめかみを掻いて、口を開いた。


「やっぱり…聞きたい?」


コクリと、頷く。

茜は、仕方ないかと、溜め息を付いて話し始めた。


「あれは『鬼』よ」

「鬼……ですか?」

「そうよ。人に仇なす人ならざる存在。…理解できる?」


普通なら、信じられる話ではなかった。

今時『鬼』だなんてそんなお伽話を、誰が信じるというのか?

そんなもの幼児でも信じないし、怖がらない。


きっといつもの澪なら、そんなもの迷信と笑った事だろう。


だが、澪には信じる以外に無かった。

あの『鬼』に触れられた澪には、アレが『普通』ではないということが身に鎖のように重く巻き付いていたから。


「本当はね…こんなことになるはずじゃなかった」

「あんなモノが…出てくるなんて、私達も予想外だったんです」


茜も雛子も、苦々しげに顔を歪ませる。


「あれは、かつての珠祭の『当主』が封じた鬼なんです」

「それって…」


昔話と同じだ…。


澪が悟ったのが分かったのだろう、雛子は頷いて言葉を続ける。


「そう、あの伝承は事実…この村に起こった事」
< 60 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop