もうこれ以上、許さない
そんなあたしを…
風人はまた、会うなりぎゅっと抱きしめてきた。

「…どうしたの?」

明日は休みじゃないのに、どんなに遅くなっても会いたいなんて…
何か理由があるに決まってて、内心不安でいっぱいだった。

思い当たる節は2つ。
1つは、玉城さんが風人の方にも何か手を打ったんじゃないかって事。
そしてもう1つは、さっきのお父さんの話を早い段階から聞いてたんじゃないかって事。

だけど風人の答えは、思いもよらないものだった。


「ごめん、自己満かもだけど…
今日は絶対、抱きしめたくて」

「…うん。
だから、なんで?」
何があったの?どこまで聞いたの?

「…さっき、辛かっただろうなって。
俺も昔、親から似たような事言われ続けてきたからさっ…」

そっか…
ー「中3くらいから荒れ始めて、けっこう迷惑かけたんだよなぁ」ー
風人の言葉を思い出す。

「だから、そんな事ない!って抱きしめたくて。
辛いのとか全部、俺が受け止めたくて」

それで今日会いたかったの!?
思い当たる節が外れて、ホッとしたのと同時。
そんな風人の気持ちに、じわりと胸が締めつけられる。

「…ありがとう。
おかげでもう、辛くないよ?」
あたしもぎゅうっと抱き返した。
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