雨の巫女は龍王の初恋に舞う
 里にいた時も、こうやって雨ごいの舞を続けた。けれどなぜか今朝は、褥から離れがたい気持ちが残っている。眠いわけでもなく、むしろよく眠ったようで気分はすっきりとしているのに、その褥のぬくもりが気持ちいいのだ。

「すぐにお食事をお持ちしますね」

「お願いするわ」

 言われて、璃鈴は自分がかなりの空腹状態である事に気がついた。夕べは夕飯を食べる時からすでに夢うつつで、まともに食べた記憶がない。


「陛下も、もう出勤なさいましたよ」

「え! 龍宗様がいらっしゃっていたの?!」

「あら、お気づきになってなかったのですか?」
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