雨の巫女は龍王の初恋に舞う
「……璃鈴様、夕べは陛下と一緒に眠られたのですよね?」

「ええ」

「あの……こう聞いてはなんですが……きちんと、夫婦となられたのでしょうか」

 なぜか頬を染めながら聞いた秋華を見て、璃鈴は首をかしげる。

「きちんと……? って、どういうことかしら」

「その、陛下は璃鈴様の肌に、触れられたのですよね?」

 さらに赤くなった秋華を見ながら璃鈴は思い出す。



「そういえば、首元に唇をお付けになったわね。ちくりと何か痛んだから、私、噛まれたのかしら」

「……それだけ、ですか?」

「ええ。その後は、ぐっすりとお休みになっておられたし」
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