豚は真珠♡


その日は私の嫌いな体育があった。
しかも今日は球技。バスケットボールだ。
あまり目立たないように端っこに座りながらぼーっと見ている。
反対のコートでは男子がバスケをしている。


(あ。峰君がゴールした。すご…あんなにボール飛ぶんだ。)
そんな事を思っていたら隣から
『もしも〜し、誰の事目で追ってるのかな〜?』
とても嫌な声が聞こえてきた。
『真理亜、しつこい。別にそんな風に見てないし。たまたま目に入っただけだし。』
真理亜が『ふぅ〜ん。』
と言いながらニヤァとする。
私はそっぽを向いた。






ピーーーーーーーー!
そんな事をしていると女子のチーム替えの時間になった。
私は重い腰をあげてコートへ移動する。
(はぁ。やりたくない。)



試合が始まると一斉にみんなが動き始める。私は右往左往して全く動けない。
ボールが色んな人へパスされていく。
一人の子がシュートを放った。
ゴールに当たり跳ね返ってくる。
その瞬間、"ガンッ!!"
ゴールから跳ね返ったボールが私の顔面に飛んできた。
(痛い…メガネが飛んでよく見えない…)
耳からは『え!大丈夫?!』という声と周りで応援していた子たちの爆笑声が聞こえてきた。

(またか…。又こんな事。なんで…なんでいつも私は…)
うずくまっていると、真理亜がすっ飛んできてくれた。
『大丈夫?はい、メガネ。』
といってメガネを拾ってくれた。
そのまま真理亜がコートの外へ誘導してくれ私は保健室へ行くことになった。

(何故かものすごく恥ずかしい気持ちになった。今までこんな事何回もあったのに…)



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