君の嘘は美しかった
「ねえ、なんでずっと一人でいるの?」

突然、上から掛けられた言葉に顔を上げた。






僕はいつも一人だ。言い方を変えてしまえば、一人でいる。
一人でいるのが好きだから。理由はそれだけ。
初めのうちは声を掛けられたけれど、全員「合わない」と察知して居なくなった。好都合。

たった一人だけなら、懲りずに話しかけてきたバカがいたな。


「佑成(ゆうせい)」
「ああ」

戸塚 純也(とづか じゅんや)。
一年の頃に同クラだった。今は違うけど、向こうが勝手に「親友」だとか言って休み時間の度、遊びに来る。
今になると、まあ話も合うしと一緒にいることに納得している。

「佑成って友達いないん?」
「作らないだけ」
「んま、佑成の友達は俺だけでいいか」
「勝手に決めんな」

変化のない毎日。特に刺激も求めてない。平和だった。端的に言うならば、平和であった、これまでは。
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