涙色の空の下、君のそばでずっと。



外はもう雨が止んでいた。




中庭にいたのに気付かなかった…。



水溜まりに気をつけながら、先輩と肩を並べて歩く。





その間もずっとドキドキしていた。





自分の心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかってくらい先輩との距離が近かった。




先輩と他愛もない話をした。



自然と笑みが零れた。




しかし、あっという間に家に着いてしまう。





もっと一緒にいたかったなぁ〜と別れを惜しんでいると、




先輩が


「月曜日、会いに行くから」



と言い、連絡先を交換した。


「じゃーね」



と私に背を向け、今来た道を歩き出した。




すると、あ、忘れ物。とつぶやき、私に近づいてくる。




先輩と至近距離で数秒間見つめ合ったあと、


先輩は私の後頭部に手を置き、自分に引き寄せ、





ちゅっと音を立てて、おでこにキスを落とした。





一瞬何をされたのか分からなかった。



「ここはまだ早いかな」




と先輩は私の唇にそっと人差し指で触れ、


クスッといたずらっ子のように笑った。




そして今度こそ私に背を向け、帰っていってしまった。




私は呆然と立ち尽くすしかなかった。


理解するのに少し時間がかかった。




き、キス!?お、お、おでこ!
おでこに…!






理解した途端、かぁあと顔が熱くなる。





やばい、頭がぽかぽかしてきた…。





早く家に上がろう…。
< 12 / 57 >

この作品をシェア

pagetop