【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
翌日、泉の退院の日、いっちゃんは始業の時間をずらして朝から来てくれた。

「莉帆、荷物はこれだけか?」

いっちゃんはソファの上にまとめてあった荷物を見やる。

「うん、そうだよ」

頷きながら、私は先ほど病院のスタッフが持ってきてくれた請求書に驚きを隠せずにいた。

健康保険が適用され医療費は無料になるけれど、部屋代や食事代は自己負担だ。その額、一週間の入院で五十万円――。高級病院だと知っていたし、広い個室や豪華な食事はそれなりに高額なのだろうとビクビクしていたけれど、まさかこれほどまでとは想像していなかった。何から何まで五つ星ホテル並みだ。

すると、いつの間にか隣で私の手もとをのぞき込んでいたいっちゃんが、「入院の請求書か?」と尋ねてきた。

「あ、うん」

「支払ってくるよ」

いっちゃんは私から用紙を奪うと、会計窓口に向かった。私は慌てて泉を抱いていっちゃんを追いかける。

「いっちゃん、私が行くよ。泉とお部屋で待ってて」

まさか入院費用をいっちゃんに払わせられなかった。

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