【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「そうか……。泉がここに入院しているのも知っていたということは、連絡を取り合っていたんだな」

今までいっちゃんは、泉の父親のことを何も訊いてこなかった。けれどその人と私がどんな関係が続いているのかは、気になっていたのだろう。その呟きは、鉛のように重かった。

病院を出てレジデンスに帰ってきても、なんだかいっちゃんの様子がおかしくて、私は当惑する。

荷物を運び、すぐに仕事に向かういっちゃんを、泉を抱っこしながら玄関先で見送った。

「ありがとう。お仕事がんばってね」

「ねー」

私の真似をして、泉はいっちゃんに手を振った。

その瞬間、眉根を寄せたいっちゃんが、私と泉を強引に抱き寄せる。

「いっちゃん?」

「……やりたくない」

唸るような声に、私はいっちゃんの腕の中で硬直した。

何を?

……誰を?

まるで私たちを奪うかのように力任せに抱き締められ、何が起こっているのかわからない。

「ごめん。行ってくる」

いっちゃんはそう呟くと、こちらに顔を向けることなく立ち去った。

今のは一体なんだったのだろう。

まるでいっちゃんが、何かに嫉妬しているみたいだった。


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