【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
――そうして、半年後。

「ママきれいね」

「ああ、世界一だ」

親子の会話に、ウエディングドレス姿の私ははにかんでいた。世界一は言いすぎだけど、担当の美容師さんの腕が良く、自分でも目を疑うほどきれいにしてもらえた。

プリンセスラインの純白ドレスは、エアリーなソフトチュールがふわふわ揺れる上品なデザインで、ドレスサロンで一目惚れだった。

私は今、結婚式場のブライズルームで、愛する人と息子、それから新しい家族に囲まれている。

一時間後には、私は養父になった盛宮のおじいちゃんと、チャペルでバージンロードを歩く。

「本当にきれいよ、莉帆ちゃん」

うっとりとため息を漏らす奥さまの隣で、旦那さまはにこやかにビデオカメラを回していた。その首には一眼レフカメラもぶら下がっている。すでにプロのカメラマンが数人来てくれているのに、旦那さまは自らも率先して私たちの晴れの日を記録してくれていた。

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