【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「泉くん、少しパパとママをふたりだけにしてあげよう」

盛宮のおじいちゃんは泉の手を引いた。

けれど泉はその場で足を踏ん張る。

「や。パパずるい」

この半年で、泉はずいぶん話せるようになっていた。

「たまにはパパにもママを独占させてくれよ」

いっちゃんは苦笑いしながら、泉にお願いをした。

最近ふたりはよく私を取り合っていて、百パーセント泉が勝っているのだ。

「泉くん、向こうでお菓子を食べようね」

けれどそう奥さまにそう声をかけられると、泉はあっさり「うん!」と頷き、ブライズルームを出ていった。

私は呆気に取られてしまう。いともたやすく、私はお菓子に負けてしまった。

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