【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
みんなが親族の控室に向かい、いっちゃんとふたりきりになると、辺りは一気に静かになる。

「旦那さまも奥さまも、盛宮のおじいちゃんも、みんな笑顔で幸せだね」

私はいっちゃんを見上げて微笑んだ。

「もう旦那さま奥さまじゃなくてお義父さんお義母さん、盛宮のおじいちゃんじゃなくてお父さんだろ」

「あ」

そうだった。少し前からそう呼ぼうとしているけれど、つい昔の癖が出てしまうのだ。

両親のいなかった私に一気に三人もできたことが、まだ少し不思議だった。

「莉帆、誓いのキスの前に、ここでキスしていい?」

すっと顔を近づけたいっちゃんに、私は耳まで真っ赤になった。こういうことは未だに慣れなくて、つい恥じらってしまう。

「えっ、えっと」

「チャペルじゃ濃厚なのはできないだろ?」

「……っ、だめだよ……。きれいにつけてもらったリップが取れちゃう……」

「リップくらいあとで俺がつけ直してやる」

いっちゃんは私の顎を掴み、強引に上を向かせた。

「ん……」

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