【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
その後、いっちゃんは何度も私に何かを訊きたそうな素振りをしたけれど、私は頑なにそれをかわし続けた。

年が明けると、私は大学の卒業準備や入社、引っ越しのための手続きや作業に追われ、いっちゃんと接する機会も少なくなった。

どうかこのまま何事もなく犀川家を出られますように。

毎朝祈り、毎夜安堵していた。

けれど私がいっちゃんの赤ちゃんを宿していると発覚したのは、屋敷を出る直前のことだった。


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