【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
けれどひとりになりほっとしたのも束の間で、いっちゃんがなかなか戻ってこないのが気になり始める。

いっちゃんが寝室に向かって、もう十分以上経っていた。何してるんだろう? と私はそっとドアの隙間から中をのぞく。

「いっちゃん?」

いっちゃんはベッドの上で泉の隣に寝そべり、長い睫毛を伏せていた。どうやら完全に寝込んでいるようだ。

私は戸惑いながらもベッドのそばに歩み寄る。

「いっちゃん、寝つきがよすぎるよ?」

とはいえ今日は朝から晩まで休みなく泉と動き回ったから、くたびれて当然かもしれなかった。一日中子どもに付き合うのは体力がいる。

私はその場に膝をつき、乱れたシーツを整えた。

そうしてふたりを見つめていると、寝顔がとてもよく似ていることに気がつく。やっぱり親子なんだなと、改めて思った。

「……」

吸い寄せられるように、私はいっちゃんに手を伸ばした。癖のないサラサラの髪は触り心地がよく、愛おしさが込み上げてくる。

いっちゃんは安らかな寝息を立てていた。

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