Return ー2度目の人生ー
退屈な午後の授業を睡眠とぼんやり外を眺める時間に使っていると、いつの間にかホームルームまで終了していた。
「じゃあ解散!」
原田先生のその声を合図に生徒たちはぞろぞろと帰り出す。
よし、私も帰るかぁ
そう思って立ち上がった時、
「日茉莉!」
自分の名前を呼ぶ声に振り返ると、そこには明るい髪色に膝上丈のスカート、バッチリメイクを施したギャルの姿が。
わぁ…また派手になってんな
「知香」
「久しぶり!ちゃんと来てるんだね学校」
「そっちこそ」
私は笑ってそう言った。
彼女は永友 知香(ながとも ちか)。小学校から同じで数少ない私の親友。
高校に入ってからは1度もクラスは同じになったことがないけど、今でもこうしてお互いが学校に来ている日は一緒に下校する。
「さ、早く帰ろ!」
知香の言葉に私は頷いてカバンを取った。