崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
 しかし、実際に会ったディーンは予想に反し、女のようにひょろひょろとした男だった。配属先も外れと言われる第五師団。

 ──こいつじゃ、俺の相手にはならないな。

 すぐに優越感に満たされ、早朝練習をしても平均レベルの技量しかないディーンのことを心の中でバカにしていた。

 ところがだ。
 そう油断したのも束の間、ディーンは第五師団の中でめまぐるしい活躍を遂げて、その評判はジェフリーがいる第一師団まで聞こえてくるほどだった。

 あの女のような見た目は、町を守るにおいてはかえって有利だった。近寄りがたい雰囲気の皇都騎士団の団員の中では一際物腰が柔らかく見えるので、市民から親しみを持たれやすいようだ。

「俺が一番だ。あんな奴に、負けるはずがない!」

 ジェフリーは拳をダンッと机に撃ち付ける。

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