崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「ここの、芯の部分にある程度の長さと太さがあるのがいい。万が一にドレス姿のときに敵襲にあったら、これを髪から引き抜いて敵の喉元に突き刺せ。そうすれば、一撃で絶命するはずだ」

 婚約記念品をそんな理由で選ぶ奴がいるか!と後ろから頭を叩いてやりたい。
 カールはアイリスがどんな表情でそれを聞いたのかと、半ば恐怖に満ちた目で視線を移動させた。

 ところがだ。
 アイリスはなぜか、頬を紅潮させて感激したようにレオナルドを見上げていた。

「これ、似合いますか?」
「ああ。とても綺麗だ」

 髪にそれを飾ってみせるアイリスを見下ろし、レオナルドは大真面目な顔でこくりと頷く。

「ふふっ、ありがとうございます。これを付けていれば、いつも閣下が守ってくださっていると安心できます」

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