現在、片想われ中

「好きな人いないの?」
「いるわけがないだろ」

普段の生活では俺、海里の人格が出ている。
不本意ではあるが、灯里はあまり表に出たがらない。
そのため俺が高校生活を満喫してしまっているわけだが・・・・・・。
なので好きな人なんているわけがない。
最近では男友達の方が増えて大変である。
灯里が勘違いされているのではないかと。


学校に着けば、靴を履き替えて「1–6」と書かれたプレートがある教室へと入る。
教室の後ろの方では、最近俺と仲の良い男子が集まって話している。
そこに俺は入って行く。

「何の話をしてるんだ?」
「おー、はよっす。新藤のことは恋愛対象としては見れないよなって話」
「何でだよ」
「顔とかスタイルはすげー良いのにそれ以外が男っぽいからな」
「もう少し女っぽかったらなー」
「うるせー」

俺は性格が男っぽいとかは気にしないけどなぁ。
俺は中学でよく、可愛いと言われている灯里を見慣れている所為で可愛いという感覚がおかしいんだって友達に言われていた。

「おはよ、何の話ししてんだ?」
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