狼くん、ふれるなキケン!
じりじりと詰めよってくるまやくん。
このままだとあぶない予感がして、くるっとUターンした。
「なんでそっち向いちゃうのー」
「それはまやくんが……っ」
「えー、俺まだ何もしてないのに」
「まだ、って言った……!」
裏を返せば、これからしようとしてるってことでしょ。
やっぱり危険……!
自己防衛のため、ちょうど開いていた教室のうしろの扉から廊下へと飛び出した。これでてっきりまやくん回避……と思ったのに。
「ひなちゃん、どこ行くの」
「……!? なんで追いかけてくるんですかっ」
「そりゃあ、そんなあからさまに逃げ出されると追いかけたくなるよね」
「知らないです……っ!」
狼くんとはぜんぜん違う方向で意地悪だ。
からかってます、ってまやくんの顔全面に書いてある。
「ふ、逃げたってムダなのにねー?」