QUALIA ー最強総長×家出少女ー
夜、眠っていると、誰かが私の部屋に入ってきた音で目を覚ました。

誰?

なんとなく寝たフリをする。

その人は乱れた毛布を私にかけ直す。

「琴葉…」

ルナの声だ。気づかれないように薄目を開く。

ルナは眠っている私を見つめている。その目が優しすぎて、ルナじゃないみたい。

昼間は話しかけてもまともに返事をしないくせに、今はまるで、家族のように温かい。

ルナは私の頭を、起こさないようにか、すごく繊細な手つきでなでた。

「お前はこんなに、近くにいるのにな」

そう言って、ルナは部屋を出た。

ルナや最高幹部のみんなは、私のために、夜は交代で見張りをしているらしい。

冷たいようでも、ルナは私を守ろうとしている。そんな気がする。
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