QUALIA ー最強総長×家出少女ー
お客さんがざわつきながら、私の方を見る。

「月子? あの地味なウェイター?」
「弾けるのあの子?」
「さぁ? でも慧様の次とか可哀想~」

私は顔を真っ赤にして、麗於さんのもとへ走る。

「無理です! ピアノなんて一年もまともに弾いてません!」

麗於さんはいたずらに笑う。

「前に言ったでしょ? 家具のお礼に演奏をお願いすると」

うぐっ、、そういえば!

「今がその絶好の機会です。大丈夫。一曲だけで構いませんから」

お客さん達がまだかまだかと私を見る。

やるしかないの?

死の旋律が聞こえたら、演奏なんてできない。

けど、ここに来て、少しでも私が変わっていたら?

「琴葉」

誰かが私を呼ぶ。見ると、ルナだった。
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