QUALIA ー最強総長×家出少女ー
颯太の制服
ピアノが再び弾けるようになった翌日、ペコの開店前に、私はピアノの前にいた。

起きた瞬間から、頭がモヤモヤしていた。

原因はなんとなく分かる。一年ぶりに、私はお兄ちゃんに強要されることも、死の旋律に怯えることもなくピアノを弾くことができた。創作意欲が止まらなかった。

あふれるメロディのインスピレーションを、吐き出すように譜面に落とし、頭のモヤモヤを片付けていく。

「はかどっていますか?」

麗於さんが言う。

「聞いたことがありますよ。天才は常に創造を続ける生き物だと」

私は手を止める。

「私は天才じゃありません。ただ共感覚があるだけです」

蓮は否定するけど、ピアノだって弾く技術だけなら蓮の方がうまい。

私なんてまだまだだ。

「十分過ぎるほどですよ。昨日の曲も素晴らしかったです。あれは、どんな記憶を曲にしたのですか?」
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