QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「私…?」

裸足で走る女の子を追う。けど、曲がり角を曲がったところで見失い、どこかへ消えてしまった。

その角の向こうに、ペコがあった。

誰かがいる。ピアノチェアに座り、物憂げに鍵盤を指でなぞっている。

それは、赤い目をした男の子だ。

「ルナ!!!」

頭がパニックになり、考えるよりも先にペコへ向かって走った。けど、どんなに走っても、ペコにはたどり着けなかった。

やがて周囲は闇に閉ざされた。

人の出会いは、いつだって奇跡的なものだ。だけど同時に、必然的にも思える。

あの日、私とルナはペコで出会った。けれどもし、私達が出会わなければ、私がルナを、好きにならなければ…。

『琴葉、琴葉…』

誰かが呼んでいる。優しくて、懐かしいような響き。

『俺は…』
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