QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「ほぼ一日だ。覚えてねぇと思うけど、昨日の夜中は39度の高熱で死にかけてたんだぜ…」

将冴さんの言葉を理解するのに、少し時間がかかった。

じゃあ、蓮と食事に行ってから、一日近くも寝込んでたってこと?

それって……

「まずいじゃん!! 今何時!?」

ベッドから飛び起き、入院着を脱ぐ。近くにあった私のカバンには着替えの蒼いドレスがあって、急いでそれに着替える。

「もう五時半だ。コンクールの規定だと、演奏の一時間前には受付をしないと失格になる。琴葉の出番は19時だから…」

「あと三十分しかないの!?」

背中のファスナーをあげる。

「やめとけ! その体じゃ無理だ!」と将冴さん。

「それに会場まで、電車だと三十分以上はかかるよ」と颯太君。

「でも…っ!」

グラッと来た。立ってたられず、床に倒れる。
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