QUALIA ー最強総長×家出少女ー

最初に入ってきた男の後ろから、無数のバイクが公園に入ってくる。

響き渡るエンジン音。夜の静かで薄暗かった公園が、百台近いバイクのライトに照らされ、まるでライブ会場のように明るくなる。

よく見ると、全員が黒い特攻服を着ていた。

「AXISの縄張りで女の子を襲うなんて、いい度胸してんじゃないっすか、GLEAMさん」

近づいてきた男がライトに照らされ、はっきりと顔が分かる。

黒い特攻服に、赤く染めた髪。ピアスを片耳に三つも空け、鋭い目付きと、整っているのに、にやついた顔が特徴の男だ。

「俺、妹がいるからさ。そうやって女の子いじめてんの見てると無性に腹が立つんだよね。しかも男三人でとか、恥ずかしくないの?」

その人は相変わらずにやついてたけど、私を助けてくれるみたいだ。

「なんだとてめぇ!!」
「おい、まて!!」
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