QUALIA ー最強総長×家出少女ー
そこは、かなり広い空間で、真ん中には大きなテーブルがある。

テーブルの右側には、奥から将冴さん、慧くん、左側には、二人の知らない人。

きっとこの四人が最高幹部だ。

テーブルを囲うように椅子がある。そこには、柄の悪い不良達が座っていた。

みんな、ものすごいオーラだ。ここにいる全員が、ただ者でないと分かる。

テーブルの奥の一番豪華な椅子には、ルナが座った。そのすぐ後ろの椅子には、副総長である麗於さんが座る。

みんな私をにらみつけ、こそこそと話をする。

どうしたらいいか分からずにいると「おい、お前はこっちだ」と、背の低い犬顔の男が、私をルナの向かい側にある椅子に座らせた。

これじゃなんだか、裁判の被告人みたい。

「下手なことしゃべったら殺されるからな。お前は美桜の友達だから、助けてやりたいけど」

犬顔の男が耳打ちする。

「もしかして、美桜の彼氏?」

「ああ、犬飼陸(いぬかいりく)だ。進行の手伝いにきてるだけで俺は幹部じゃないけど、今お前のせいで、AXISは大混乱なんだぞ」
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