QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「家までは、俺が送る…」

頭が真っ白になった。

でも、どこかで分かってたのかもしれない。私はきっと、ルナに捨てられるって。

幹部達は席を立つ。

「おいっ、嘘だろルナ!」と将冴さんは諦めきれずに説得する。

私はそんな将冴さんに「もう大丈夫…」と首を横にふる。

「行くぞ。琴葉」

ルナは私の手を握る。振り返ることもなく、引っ張る。

「ルナ、本当にいいんですか?」と麗於さん。

「決めたことだ」とルナは答える。

……あれ? なんでだろう?

ルナの手が、心なしか震えていた。

手を握る強さも、どんどん強くなる。

もしかして、帰したくないのかな?

……いや、そんな期待は楽観的過ぎる。

私が家に帰されるのは、もう決まったことなんだ。
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