【短編】乙女戦隊 月影〜Dead Or Alive〜
「え!?」

衝撃の事実に、あたしは驚きの声を上げた。

「ここ、女子高だよ!」

「まじまじまじかよ〜」

グリーンだけがノリノリで、ブラックに迫り、携帯で写真を取り出す。

「でも、乙女ブラックになれるのは、女の子だけよ」

「そ、それは…」

ブラックは眼鏡を外し、あたし達に見せた。

「不良品だから…」

眼鏡のフレームに、なぜか不良品の文字と、サンプルと書かれていた。

「不良品だから、変身できたと」

ちょっと納得できない。

「まじかよ!どう見ても女じゃんか!」

グリーンのテンションが上がる。

「だから…どこかに、真の乙女ブラックがいると思う」

ブラックが長い睫毛を落とし、

「騙すつもりはなかったの!みんなと戦いたかったの!女の子にもなりたかったの!」

「ブラック…」

ブラックの悲痛な叫びに、暗くなるあたし。

だけど、1人だけ違った。

別の件で、落ち込んでいるポケホウダインに、どどめ色が襲いかかった。

「どどめパンチ!」

ポケホウダインの画面にヒビが入る。

「いきなり、何するんや!精密機械に、パンチなんて頭悪過ぎやで!」

そんなポケホウダインの言葉を無視して、どどめ色はにやりと笑い、武器を取り出した。

「どどめ包丁!」

それは、普通の包丁だった。

どどめ色は、ポケホウダインの足を払うと倒し、馬乗りになった。そして、包丁をポケホウダインに突き刺した。

「何するんや!あんさん!携帯に包丁突き立てるって!よい子が真似したら、どうするんや」

「大丈夫…よい子は、この小説を読んでない」

さらに、一突きするどどめ色。

「何言うてんねん!これは、由緒正しき第六回短編フェスティバル参加作品やで!」

もう話を聞いていないどどめ色。

「どどめ♪どどめ♪とどめ♪色の戦士♪どどめ♪とどめ♪刺しまくれ♪」

歌いながら、何度も包丁を突き刺す姿は、さすがに同じ戦隊でも引く。

「短編フェスティバル参加者さん達は……よい子やでえええ」

それが、ポケホウダインの最後の言葉になった。

合掌。

< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop