響は謙太郎を唆す

「その状況の出どころは?」

とレンが低い、腹に響く声でもう一度聞いた。

謙太郎は、大人の男から、こんな張りあうようなものを向けられたのは初めてだと思った。

父親なのに、今、レンはそんな甘いものは全く感じられなかった。

全く大人だった。
響を挟んで張り合って、謙太郎は引けないと思った。
反抗的な気持ちもした。
真っ直ぐレンを見て、

「守りたかったから」

と言ったら反対側の響がパッと謙太郎を見た。
レンは大声で、

「おまえ、甘いんじゃないか、ナイトぼっちゃんよぉ」

と、すごんだ。
響が横から、

「レンだって、父親のくせに!」

と言った。
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