響は謙太郎を唆す

先生はじっと硬くこわばっている響に、キツい口調で続けた。

「だいたい、内藤くんは、ちゃんとしたお嬢様とお付き合いされてるんだから、わきまえなさい!困らせないで!(そそのか)さないの!」
「⋯⋯ 」
「今日この後すぐ、席替えもします。こんな風にこれからも素行が悪かったら、内定もだせない!わかったの?」

その後ごちゃごちゃと数分間、一方的に詰られた。
一言も言えずに追い出された。

何今の⋯⋯ 。

《内藤くんには、ちゃんとしたお嬢様とのお付き合いがあるから、困らせないで》謙太郎、付き合ってる人がいるの?
《ちゃんとした》《お嬢様》《お付き合い》単語が、頭にグルグルまわる。
だから?だから、私に何も言わないの?
私は《(そそのか)す》《悪い女生徒》
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