僕の目の前に辿り着いた彼女は、立ち止まって僕の目を見つめている。

 そのあまりの美々しさに息を吸うことさえ忘れそうになる。

 なんと言っても、肌の白さや清らかな雰囲気が、僕の今まで会ってきた人間の中では断トツだった。

 陶器のような肌、とよく聞く表現ではあるが、まさしくそれである。緊張で、心臓の動きが今までに感じたことがないほどに早く動く。

 彼女から目を反らせばいい事なのに、目を離せない。彼女は僕を釘付けにする。

 すると、空を指さしながら彼女はその口をゆっくりと開いた。

「あのね、私あの星から来たの」

 突然、よく分からないことを言われる。

 星は、もちろんこの時間には目で確認することは出来ない。それが分かっていながらも、僕は空を見た。

 しかし、この空の先に星があることは分かる。地球の空は明るくても、そこを一歩出れば暗黒が続き、その中で星が生きている。まあ、死んでいるものももちろんあるのだが。

 そんな科学的なことを頭の中で考えていると、彼女は進路を変えて、また先ほどの場所に戻って再び砂の上に座った。
 こちらを見て手を振っている。
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