別れと弱さと始まりと


それから半年後。また職場の飲み会があった。今回はお付き合い程度に呑んだ。


外へ出ると、後輩が「のぞみ!」と声を掛けていた。


声を掛けられた人と一緒にいた人が振り返る。


身体が凍りついた。


「あっ、声を掛けてごめん、あの時もごめん。幸せになれよ」


「大丈夫!幸せになるから。ねっ!」と隣の男と笑みを交わす。


「俊哉も幸せになりなよ!」


「あぁ、今度こそ頑張るよ」


「じゃあ」二人は仲良さそうに寄り添って歩き去る。



後輩の元彼女と一緒にいたのは、私の好きだった人、まだ心の隅で消せない人だった。


あの日、私が軽率な行動をしなければ後輩は別れなかったかもしれない。


今とは違う未来だったかもしれない。


なんでこんな事に……


因果報応……


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