王子なドクターに恋をしたら
「ごめんね、もっとどっか離れた所に行けばよかったね」

「え?どうして?」

「だって、じろじろ見られて落ち着かないでしょ?」

そう言って後ろを振り向くと後ろのお客さんと目が合って逸らされた。
もう、そっとしておいてあげて欲しい、としゅんとしてるとくすくすと笑い声。

「気にしなくてもいいよ。僕も気にしてないから。今日は病院に集まる人も少なかったんだ。千雪の言う通り、もう少ししたらきっと静かになるよ」

そう言ってにっこり笑った和泉くんにホッとする。
嫌な思いをしてないみたいでよかった。

「ほれ、ビールと先付。ホタテの塩辛。先生食ったことあるかい?」

「ホタテの塩辛?食べたこと無いです。美味しそうだ」

ワクワク顔で塩辛に箸を付ける和泉くんをついじっと見た。

「うん!美味しい!これはビールに合うね!」

無邪気に、嬉しそうに笑う和泉くんにあたしは見惚れてしまった。
ゴクゴクとビールを飲むと喉仏が上下に動いてそれだけでときめいてしまう。
あたし、重症かもしれない。

「千雪?食べないの?美味しいよ?」

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