王子なドクターに恋をしたら
「体調は大丈夫?」

「うん、全然平気」

チュとこめかみにキスをしてくれた和泉くんの手がちょっとだけ膨らんできたあたしのお腹に触れた。

「この僕が父親になれるなんて奇跡だよ。しかも親子3人で結婚式ができて嬉しい。ちゆ、僕をこんなに幸せにしてくれてありがとう」

嬉しい言葉をくれる和泉くんの手の上に自分の手を乗せた。

「和泉くんがあたしを幸せにしてくれてるんだよ。あ…」

「あ、今…」

「うん、ポコって…」

今、始めての胎動を感じてあたし達は驚き目を合わせた。
珍しく興奮気味の和泉くんがしゃがみ込んでお腹に耳を当てる。

「あ、また!」

「うん、わかるよ」

「きっとこの子も喜んでるよ。早く逢いたいな。3人で幸せになろうね」

一生懸命お腹の赤ちゃんに話しかける和泉くんが微笑ましくて栗色の髪の毛をそっと撫でた。
きっと和泉くんはいいパパになるよ。
あたしのように大切にしてくれてこの子もパパが大好きになる。
この子は絶対幸せだ。

「あ…!」

「どうした?」

「…ううん、何でもない」

その時ドアのノックとお時間ですと声が聞こえて、あたし達はみんなが待つ結婚式場へと向かった。


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