王子なドクターに恋をしたら

告白、そして別れはやってくる

「あんた、高槻先生と逢ってるそうじゃない?どういう関係?」

あちこち二人で出歩いてたから誰か知り合いの目に留まり明日美の耳にも入ったのだろう。
笑顔で、でも目が怒ってる明日美に凄まれて、あたしは白状せざるを得なかった。
出合った時から今までの事を洗いざらいしゃべると腕を組んだ明日美はあたしを細目で睨む。

「いや、ほんと、明日美の言う通り。逢ったら最後、恋しちゃったよ完璧に…」

へラッと笑いながら言ってみたけど明日美の表情は変わらず。
ふう~っと大っきなため息をつかれて思わず縮こまる。

「あんた馬鹿だね、看護師達だって一時期は高槻先生に熱を上げてたけど、今は冷静に目の保養くらいにしか思ってないのに」

「は、ははは…」

「最近高槻先生の機嫌がいいらしいって病院内では噂が持ちきりなのよ。どうも彼女が出来たらしいって。その彼女が千雪だったとはね」

「い、いや、彼女っ…て訳じゃ…」

「毎日会って電話して、手まで繋いでんのに彼女じゃないってどういうことよ!」

「え…だって…付き合おうって言ってるわけじゃないし…手を繋ぐのは社交辞令かなぁ…と」

「んなわけあるか!好きでもない人と手を繋ぐ奴が何処にいる!」

ぴしゃりと言われて首を竦める。

でも、そうか、手を繋ぐのは社交辞令ではないのかとこっそり喜んだ。
…はずなのに、にやけてたらしい。
明日美に睨まれた。

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