王子なドクターに恋をしたら
やだなあもう、あたしのいないとこで和泉くんは何を言ってるんだろう。
恥ずかしくてまた熱が上がっちゃいそうだ。

「ま、そういう事だから、あんたは大人しく寝てなさい。和泉先生夕方くらいにまた来てくれるって言ってたわよ」

「あ、うん。ねえお母さん、お父さんは？」

お父さんの反応が怖くて恐る恐る聞くとお母さんはにっこり。

「千雪を抱えて帰ってきたときは怒ってたみたいだけど、その後真面目に千雪と付き合ってるってわかってホッとしてたみたいよ？あの先生に不満なんてある訳ないんじゃない？お父さんも歓迎してくれてると思う」

「そ、そっか、良かった」

考えてみれば和泉くんは立派なお医者様で優しくて誠実で真面目な人だからお父さんが不満に思う要素はどこにもない。
改めてあたしは完璧な人と付き合ってるんだなあとほくそ笑むのだった。

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